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寺泊 養泉寺

養泉寺は文禄3(1594)年、信濃国(長野県)水内郡長沼村の歓喜踊躍山浄興寺の僧浄明が開いたお寺です。宗派は真宗大谷派。山号は光澤山。「つやさん」と読みます。


by yosenji
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子どもと法話 ~何をどう伝えるか~

5月29日(火)~31日(木)。
三条教区児童指導者研修会、兼、東北連区児童指導者研修会が行われました。
この研修会は、児童教化(子どもたちと一緒になって仏さまの教えを聞いていくこと)に関わる全ての人たちに開かれた研修会です。
4年に一度、「当番教区」というものが回って来て、今回の当番がちょうど私たち三条教区でした。
私は現在、この児童指導者研修会の担当になっていることもあり、今回の研修会の発案から準備、当日の運営まで、全てに関わらせていただきました。
大変なこともありましたが、その分、「自分でこれをやりたい! また皆さんにもこれを考えてみてほしい!」ということを提案でき、やりがいのある仕事でした。

今回の研修会のテーマは「子どもと法話 ~何をどう伝えるか~」でした。
これまでの当研修会を思い出した時に、紙芝居もやった、ゲームの種類も学んだ、絵本の朗読なんかもした…。
色々なことが思い出されたのですが、さて、そもそもそういうこと(ツール)を通して伝えるべきことは何なのだろう?考えてみたことがあるだろうか?とふと思ったことがありました。
根本的に自分が何を伝えたいのかが分からなかったのです。
そこで、その気持ちをそのままテーマとしました。
(仮)のつもりで考えたテーマでしたが、結局一度も変わることなく、そのままメインテーマとなりました。

今回は、山形教区、高田教区、東京教区からも参加して下さる方があり、少人数ながらも、ぎゅっと実のある交流が出来ました。
普段、なかなか他教区の方と話したり、情報交換したりする機会がありません。
遠くからわざわざ足を運んで下さったからこそ、私たち三条教区の見慣れた面々の中にも新鮮な風が吹いてきました(笑)


<1日目>
開会式、趣旨説明の後、先生から「講義①」として、お話をいただきました。
先生は、三条教区第14組、安楽寺御住職の立石徳秀氏にお願いしました。
先生には、「子どもにどう伝えるか」というテーマをこちらから出させてもらいました。
元々、教員をされていたという経験から、ご自身が子どもたちとどの様に関わっておられたかを教えていただき、各々が自分自身の子どもたちとの関わりを考えるきっかけをいただいた様に思います。

お話の中で、子どもたちに何かを伝えようとする時に何を最優先に据えるか、ということを最初に教えていただきました。
それは、「自分自身を知ってもらう」ということです。
しかしそれは、肩書きや個人情報といった類のものではなく、自分の人生を大いに語るとか、思いがけない失敗談を語るとか、そういう「熱意」のようなものを伝えようとすることが大切なのだ、と聞かせてもらいました。

私は高校時代、文系にも関わらず生物が一番好きでもあり得意でもありました。
考えてみると、それはその先生が好きだったからです。
その先生の口癖をよく真似しては、友人と笑い合っていたことを思い出します。

生物が好きだからその先生が好きになったのではなく、その先生が好きだから生物が好きになったのです。

それはきっと子どもたちとの関わりにおいてもそうなのでしょう。
子どもたちとまずどう出会うか。
そこに緊張感を持つことの大切さ。
良くも悪くも、自分という人間が子どもたちの人生そのものに影響を与えていくということ。
それを自分で考えていくことが一生の財産にもなると教えていただきました。

また、現代の子どもたちを取り巻く問題にも触れられていました。
印象的だったのは「笑いの奥にある悲しみに気付きにくくなってきた」というお言葉です。
昔の”悪”はすごく分かりやすかったと。
校舎の陰に隠れてタバコを吸う、髪を染めて目立とうとする、等、見てすぐ分かるものだった。
当然一概には言えませんが、そういった子どもたちに限って、本当に小さく弱いものには優しくし、手を出さなかった。
今は違う。
優等生が、いつも笑っているあの子が、なぜ!?
そういう部分が今の最も危ないところではないかとお話いただきました。
思い当たることが多く、先日の小針の小学生殺害事件にも重なり、頷かせられました。

先生は、自分の経験や信念として、「いのちの不可思議さ」をどう伝えようかと試行錯誤されているとのことでした。
様々な角度から、その「いのちの不可思議さ」を教えていただき、子どもの心に大人が学んでいくことを「共感」として示して下さいました。

親の責任、大人の責任。
「子どもにどう伝えるか」というテーマでしたが、その方法やテクニックを教えていただいたというよりも、その伝えようとする大人の姿勢次第で変わっていくものだということを再確認させていただきました。

講義の後は、各教区からの取り組み発表、座談を行いました。
どの教区でも共通だった意見は、「希薄になってきている地域のつながりの回復ということが、寺という場所に期待されていることを感じる」ということでした。
しかし、寺に身を置く者自身が、最もそのことが見えていないのではないかとも、同時に感じました。


<2日目>
2日目は車に分乗し、フィールドワークとして、親鸞聖人越後七不思議の中の2ヶ所、山田の焼鮒、鳥屋野の逆さ竹、を実際に見に行きました。
詳しい伝説などは割愛しますが、どちらも私自身を含めて、皆さんにとって興味深く見ることが出来ました。

親鸞聖人越後七不思議、というと知ってはいても、実際に全部は行ったことはないという人も少なくないと思います。
私もそんな一人です。
やはり実際に見ると全然違いますね!
特に山田の焼鮒の田代家さんには、懇ろなご説明をいただきました。
鳥屋野の逆さ竹に関しても、車を駐車させていただくだけのつもりでいた西方寺さまの御住職からのご厚意で、本堂にある逆さ竹を見せていただきました。
本当にありがとうございました。

その後、ピア万代にて昼食。
新潟の新鮮な海の幸を定食でいただきました。
生ガキも一人一つずつ食べました。
美味かった!

その後、会場を小針の瑞林寺さまに移して「講義②」へという流れになりました。
先生は、真宗佛光寺派瑞林寺御住職、廣澤晃隆氏でした。
テーマは、「子どもに何を伝えるか」ということで、こちらから出させていただきました。

本堂で皆でお勤め、そして挨拶の後、お庫裡に移動してお話をいただきました。
初めにお話しいただいたことは、5月にあった小針の小学生殺害事件です。
現場に近いということもあり、被害者、そして加害者ともに直接的ではないにしろ関わりがあったり、知っていたりするということです。
特に加害者に対して、「ただ”悪い奴”と言い切れない何かがある。ご両親や友人などの辛さを無視出来ない」ということを仰っていました。

その後は、「希望」というキーワードでずっとお話しいただきました。
印象的だったことは、「欲望」という言葉の中に「希望」があるというお話でした。
欲は執着、人間を苦しめるものでもあるけれども、それが望、希望になる、生きる力になる世界がある。
それを忘れないことが大切ではないかと教えていただきました。
欲望を「ただ”ダメ”なこと」ではなく、その中に埋もれている希望を聞いていく。
お寺をそういう場として開き、どんな場所にでも、どんな自分にでも「希望」がある、ということを先生ご自身は伝えているのだということをお聞きしました。

その後の質問タイム、兼座談会も盛り上がり、「自分の境遇と重なった」「もっと活動の具体的な部分を教えていただきたい」等、皆で話し合う有意義な時間となりました。

夜7時からは、会場を移して先生を囲んでの懇親会を開催いたしました。
先生や参加者の皆さんと今回の総括的なお話も出来ました。
とても楽しい時間だったと思います。


<3日目>
3日目は「連区協議会」ということで、今回の感想や反省を出し合った後、各教区からのお知らせ、またそれを元にした協議を行いました。
そして、来年の開催について確認しました。
来年の当番教区は高田教区です。
開催時期は、2月~3月頃ということで、大体の予定している内容等も教えていただきました。
まだ分かりませんが、是非とも参加したいと思っています。

引き続き閉会式をして、今回の三条教区児童指導者研修会、兼、東北連区児童指導者研修会は終了いたしました。
各自三々五々に帰って行きました。


<総括>
今回は、「子どもと法話 ~何をどう伝えるか~」というテーマで研修を行ってきました。
その中で、フィールドワークや座談会、また懇親会を通して様々な交流が出来ました。
また、お二人の先生からそれぞれ「子どもにどう伝えるか」と「子どもに何を伝えるか」ということでお話しいただきました。

どちらの先生からも、何をどう伝えるかを”考えること”の大切さを再確認させていただいた気がします。
そしてそれはそのまま、私自身が望んでいたことでもありました。
答えではなく、考える姿勢を与えていただきたかったということ。
それは特に先生にはお願いしておりませんでしたが、結果的にそういうお話をして下さいました。

もちろん、それぞれの先生から、伝える時に大切にしている方法、また提案なども教えてはもらいました。
自分が一番軸に据えている「伝えようとしているもの」もお話しいただきました。
しかし、それは私たちにとっての「答え」ではありません。
私たちもその先生の”真似”をして、その方法でその事柄を伝えるようになる、ということがこの研修の目的ではありません。

私たち一人一人が先生のお話を聞いて、何を感じ、どう動いていくのか。
答えは私たち自身が、自分をもう一度問うということの中にしかありません。
「子どもに対して」「子どもと向き合う」などとよく言いますが、それは同時に自分と向き合うことであるということ。
それが一番大切なことであると、私は胸に刻みました。

最後になりましたが、今回の研修に関してご協力いただいた先生方、会場の皆さん、また参加者の皆さんや事務局としてご尽力いただいた三条教務所の担当者の皆さん。
全ての方々に心からお礼申し上げます。
本当にありがとうございました。

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2日目フィールドワーク、山田の焼鮒、田代家にて、参加者の皆さんと

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by yosenji | 2018-06-04 12:00 | 養泉寺以外の行事レポート | Comments(0)