第39回 推進員研修会 レポート
2013年 10月 03日
10月3日(木)。
三条別院にて第39回推進員研修会が行われました。
今回は、「中村久子女史の信仰」として、三島多聞師(岐阜県高山教区一組 真蓮寺住職、中村久子顕彰会代表)よりお話をいただきました。
中村久子さんとは、3歳にして両手両足を失い、言語を絶する人生を親鸞聖人のお念仏の教えとの出遇いを通して力強く生き抜かれた方です。
といっても、これもチラシの紹介の一部の要約…。
私自身、中村久子さんについては、「手足がなく苦労された方」「その中で念仏と出遇っていかれた方」というぐらいの認識しかなく、言わば、ほとんど何も知らない状態で話を聞かせていただきました。
結果、その私の認識がどれほど薄く表面的なものであったか、また自分自身の在り様がどれほど方向違いであったかが、身を通して思い知らされる貴重な時間となりました。
「現実を引き受けたところにしか真実はありません」
この言葉が特に印象に残りました。
現実を引き受ける、とは容易な事ではありません。
しかしその受け入れられぬ現実である自分の身こそが、善知識(お念仏の教えに出逢わせてくれた人、導いてくれた人)となって出遇っていった世界がある。
両手両足がない身が善知識となる、ということに、私は最も驚きました。
私の現状を振り返れば、様々な現実、自分の周りで起こる状況を、都合に合わせて受け入れてみたり嫌がってみたり。
それは、一時的に現実を「引き受ける」ことはあっても、自分という人生として「引き受けた」と言いきれる世界と出遇っているのではないのだと痛感させられました。
旧御堂では、同時開催として「中村久子展~生きる力を求めて~」と題された展覧会が催されていました。
様々な写真やパネル、生涯の歴史やビデオ上映などがあり、多くの方が真剣に観ておられました。
私も一回りして、頭の中に残っているお話と照らし合わせながら色々なことを思いました。
養泉寺のお隣、聖徳寺さま所蔵の中村久子さん直筆の書(写真1枚目)も展示されており、興味深く観せていただきました。
今回、この様な企画、そして運営をするのはとても大変なことだったかと思いますが、教区推進員の皆様をはじめ、別院のスタッフの皆さん、その他協力して下さった全ての皆さんに感謝いたします。
中村久子さんという一人の方を通して、色々な自分を見せていただいた一日でした。
by yosenji
| 2013-10-03 16:07
| 養泉寺以外にも目を向ける